橋本病で経過観察中だけど、症状が出ているときの対処法
橋本病は、日本には推定10万人の患者がいると言われている
(病気に気 づいていない人も含めて)珍しくない病気です。
しかも、その患者数のうち、甲状腺の機能の低下が出る人は、10人に1人。
血液検査の数値が基準値なら、症状があっても経過観察となる場合が多く、
定期的な検査以外は、治療は行われないことも多いです。
ここが、この疾患のつらいところでもあります。
多くの医師は、「数値が基準値だから、様子をみましょう」となります。
明らかに橋本病が原因と思われる、辛い症状があっても、です。その後急激に
数値が悪くなれば治療の対象になりますが、そうでなければすっと経過観察です 。
実際にチラージン(甲状腺ホルモン剤)を飲み始めて、辛い症状が徐々に
消えてきた人は、この経過観察中が一番辛かった、と言う人も多いです。
仕事に影響が出てきたり、物忘れがひどくなったり、気分が沈んだり、
もっと辛い人は、殆ど起き上がれなくなったり、眠り続けたり・・・
でも、経過観察ならどうすることもできません。
「私はずっとこのまま、何も出来ないのかも・・・」と、気分はもっと落ち込むし、
不安で悲しくてたまらなくなると思います。もしもあなたがそんな状態なら、
以下に書くことを、無理の無い範囲でぜひ試してください。
まず、検査をしてくれた主治医に、チラージンの処方をお願いしてみます。
「これだけつらい症状が出ているので、 数値は正常でも治療をしたい」と。
それでも処方されないようなら、別の病院を受診します。
甲状腺の専門医じゃなくても、例えば子供の頃からのかかりつけの内科医が
近所にいるのであれば、橋本病の検査結果の用紙を持って、
チラージンの処方をお願いしてみます。
あなたの抱えている辛い状態が、甲状腺機能低下によるものなら、
ホルモンを補うことで、少しずつでも改善される可能性は高いです。
ですから、あきらめずに処方してくれる医師を見つけることが、懸命です。
また、むくみや代謝低下などの改善に、東洋医学を取り入れてみると言うのも
一つの手だと思います。足つぼ、鍼灸治療、漢方など、西洋医学とはまた違う概念で
行われるものですが、今より体調が良くなる可能性はあります。
どうしても起き上がれず、外出もままならないときは、自分で甲状腺のツボを
ぜひ押してみてください。足の親指の裏が甲状腺ホルモンを出す脳下垂体に
いいツボ、その下のふくらみが甲状腺のツボです。
あくまで経過観察でチラージンを飲んでいないときの対処法ですが、
症状が改善されてくれば、あなたはちゃんと動けるようになります。
あきらめずに、できることからはじめてみてください。