橋本病の食事療法について
橋本病と診断を受けたら、毎日の食事はどうしたらいいのか?気になりますよね。
すでに医師から「ヨードが多いものは食べ過ぎないでね」と言われている人もいるでしょう。
甲状腺ホルモンを作るヨードという栄養素は、食べ物からしか摂ることができないのですが、摂りすぎると甲状腺に影響するのでこう言われてしまうのですね。
また、橋本病は基本的にずっと治らないと言われることもありますが、もし食事療法で体質を改善できるなら、挑戦してみたいと思っている人もいるかもしれません。
ここでは、
- 橋本病の食事療法について
- 橋本病の人が食事制限をしたほうがいいもの
- 橋本病の人におすすめの栄養素
などをご紹介します。
これからどんな食事を摂っていけばいいのか?考えている人は参考にしてくださいね。
橋本病は食事療法で治るの?
あなたが橋本病ですでに機能低下がある場合は、お医者様から処方されたホルモン剤をきちんと処方どおりに服用することが、なにより大切です。
ここを避けて食事だけ頑張っても、まず良くはなりません。
このホルモン剤をずっと飲み続けることに、初めは抵抗を感じるかもしれませんが、健康な人と同じ生活を送るためには必須です。
ここを抑えつつ、食事の内容を変えていくのはこの病気にとっても、とても良いことだと思います。
それは、橋本病は自分の免疫機能が狂ってしまって、自分の体を攻撃することになってしまった、自己免疫疾患だからです。
自己免疫の狂いには、少なからず食べるものが関係していますからね。
免疫を下げてしまう食生活には、
- 冷たいものの食べ過ぎや飲み過ぎで体温が低下する
- 添加物の多い食事やファストフードで体に負担がかかっている
- 野菜不足で便秘がち
こんなことが関係してきます。
毎日のことなので食事の内容を変えて続けるのは大変ですが、橋本病と診断されたら食事を整えることもにも挑戦してみてくださいね。
毎日食べるご飯で、健康な体を取り戻せたら嬉しいですね。
橋本病とヨード(ヨウ素)の関係|食事制限したほうが良いものはなに?
甲状腺の病気は、ヨードとの関係をよく言われます。
甲状腺はヨードを取り込み合成して、甲状腺ホルモンを作ります。
橋本病は、甲状腺ホルモンが足りなくなる病気なので、「ヨードをたくさん摂ってホルモンを作れた方がいいんじゃ・・・」と考えてしまいますが、違います。
ヨードの摂り過ぎは、橋本病にも反対の症状が出るバセドウ病にもよくありません。
推奨されている一日のヨードの摂取量は、成人で150μg、妊婦さんだと必要なヨウ素の摂取量は1日に220μgと言われています。
そして上限は2200μg(ただし、毎日継続して摂ると仮定した場合)
でも、日本食は元々ヨードの入っている割合がとても多いので、普通に食事をしていても、1500μgは摂っています。
完全に避けて食事をするのは難しいですが、橋本病の人はなるべく少なくするように気をつけましょう。
既に知っている人も多いと思いますが、まず以下のものはヨードが豊富なので摂り過ぎに注意です。
ヨードが多く含まれている海藻類ですね。
その中でも昆布はダントツに多いので、注意してください。
ヨードの多い食品 | 1食で摂取する量 | 1食あたりのヨード量 |
---|---|---|
昆布の佃煮 | 5g | 5500μg |
乾燥昆布 | 5g | 240000μg |
わかめ | 10g | 1900μg |
ひじき | 5g | 2,350μg |
焼き海苔 | 1g | 2100μg |
ヨード卵 | 可食部100g | 1300μg |
昆布そのものを食べなくても、エキスなどが含まれているものも同様に注意が必要です。
例えば、
などです。
商品の原材料を確認すれば、ほとんどわかりますので見てみてくださいね。
また、以下の食材は「ゴイトロゲン」と言う甲状腺ホルモンの分泌を邪魔するものが含まれますので、大量に食べることはやめてください!
ただし、甲状腺にはヨウ素をとり過ぎても大丈夫な仕組みがあります。
橋本病でも、甲状腺ホルモン剤で機能低下をコントロールできている人は、ヨードの制限は必要ないので、神経質にならなくて大丈夫です。
橋本病の人の食事は免疫力アップを意識してみよう!
橋本病の人はどんな食べ物に気をつけたらいいのかを書いていきましたが、ここからはどんな食事をして言ったらいいのかを書いていきますね。
橋本病の人は、食欲がない割に太ってしまうことが多いので、体重が気になる場合はカロリーの管理をしていきましょう。
一日の摂取カロリーの目安はおよそ1600カロリー以下です。
また、眠気やだるさなどで一日を不規則に過ごしてしまうこともあると思いますが、治療を始めて症状が落ち着いてきたら、規則正しい生活や栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
橋本病の食事については、具体的には以下の2つが大切です。
- 3食規則正しく食べる
- 免疫力をアップする食事を心がける
3食規則正しく食べる
健康な体の基本は、体内時計のリズムが整っていることです。
それは体内時計が、自律神経やホルモンの分泌を調節しているためです。
決まった時間に寝て決まった時間位起きて朝日を浴びると、2つある体内時計のうち、主時計がリセットされます。
そして、もう1つの抹消時計はご飯を食べて血糖値が上がることでリセットされ整います。
食欲がないときも、食べられるものを決まった時間に規則正しく食べることで、体内時計が整ってきます。
免疫力をアップする食事を心がける
橋本病はその体質をもって生まれてきますが、発症するかしないかは体の免疫が関係してきます。
自己免疫疾患である橋本病は、免疫が異常を起こすことで起こるからです。
免疫が異常を起こし作られた「自己抗体(甲状腺を攻撃するもの)」を取り除く治療はまだありませんが、意識して免疫力をアップさせることが大切です。
それには、毎日の食事の内容もとても大切。
そして免疫力をアップさせる鍵は、「腸内環境」にあります。
私たちの免疫細胞は、7割が小腸と大腸にあります。
なので小腸や大腸の状態が悪いと、当然ですが免疫にも影響してきます。
以下に、免疫力アップに役立つ食べ物をご紹介しますので、毎日の食事にぜひ取り入れてみてください。
免疫力アップにつながる栄養素
腸内環境を整えるために役立つ栄養素は以下のようなものです。
乳酸菌
ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品に含まれている乳酸菌は、腸内環境を整えるのに役立ちます。
食物繊維
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、そのどちらも腸内環境を整えるのに役立ちます。
水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌の餌となります。
不溶性食物繊維は、水分を吸収してふくらみ、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便秘改善や体に有毒な、ダイオキシンなどの物質を吸着して排出させるなど、腸をきれいにしてくれます。
水溶性食物繊維・・・アボカド、オクラ、山芋、あしたば、ごぼう、納豆など
不溶性食物繊維・・・大豆、穀類、あずき、おから、エリンギ、えのき、切り干し大根、アーモンドなど
*橋本病で既に甲状腺機能低下があり、甲状腺ホルモン剤を服用している方は、その吸収を妨げる可能性があるため、食物繊維の摂り過ぎには注意してください!
抗酸化作用
免疫機能を低下させる原因のひとつに、活性酸素があります。
体の中で発生した活性酸素を除去するには、抗酸化作用のあるたべものが効果的です。
トマト、スプラウトブロッコリー、にんじん、黄・赤ピーマン、柑橘類など
体温アップ
私たちの体は、体温が36.5度以上になると、免疫細胞が活性化します。
体温を上げると血液の流れが良くなり、酸素や栄養素をすみずみまで運べるようになるので、からだ全体の機能もアップするんですね。
私たちの身近な食材で、体温を上げるのに最も良いのは、乾燥したしょうがです。
薄く切って干したものでもいいですし、手軽な生姜パウダーも売られていますので、料理や飲み物にプラスしてみてください。
ただし、血液の中の状態が良くないと、いくら血液の流れを良くしても意味がありません。
そしてここが改善しないと、なかなか薬以外で橋本病の体質を変えていくのは難しいです。
⇒ こちら根本的に体質を変える方法を詳しく書いていますので、よろしかったらご覧下さい
いかがでしたでしょうか?
健康な体を作るには、もちろんこれ以外のタンパク質や炭水化物などの栄養素も大切です。
いかにバランスよく食べるか、ということが大切なんですね。
長い年月をかけて今の体になっているので、免疫アップをするには毎日コツコツ続けてみてね。