甲状腺の位置と大きさ
甲状腺は、喉仏の下の首の根元のほうにある臓器です(紫の部分)
男性は女性よりもっと下の方についています。
蝶のような形をしていて、気管を囲むようについています。
健康な人は腫れなどはなく筋肉で覆われているため、普段は手で触ってもあまり分かりません。
甲状腺になんらかの異常を持っている人でない限り、 ここの位置を意識して生活している人はほとんどいないでしょう。
自分の病気を説明した時、「甲状腺てどこにあるの?」と人に聞かれた人も多いのではないでしょうか?
上記の図ではわかりやすくするため大きく甲状腺を書いていますが、実はかなり小さい臓器です。
甲状腺の大きさ
- 横幅はおよそ2〜3センチ
- 縦はおよそ4〜5センチ
- 厚みは1〜1.5センチ
- 重さは10〜20グラム
こんな小ささです。片耳くらいですかね(・∀・)
会社の健康診断などでは、お医者様がここを触ったり検査することはほとんどないので、あなたが今まで位置を知らなかったとしても全然不思議ではありません。
甲状腺ホルモンをコントロールしているのはどこ?
甲状腺をどう働かせるかは、脳の中の下垂体というところが決めています。
「あれ?血液の中の甲状腺ホルモンが足りないかも?」と察知すると、下垂体が甲状腺を刺激するホルモン(TSH)を出します。
それにより「あ、甲状腺ホルモンを作らなきゃ」と甲状腺が動き出すわけです。
ちょっと難しいのですが、下垂体に「TSHを分泌せよ」の命令を出すのは、脳の視床下部という部分です。
ここがTSHを出すためのホルモンを、更に出して最終的に甲状腺をコントロールしています。
体の中ではこんなことが起こっています。
視床下部:おーい、甲状腺ちゃんと働いてるか〜?
下垂体:あ、そろそろ甲状腺刺激してみますね〜
下垂体:おーい、ホルモン少なくなってきたから作れよ〜
甲状腺:了解しました!
甲状腺ホルモンを正常に働かせるために、かなり複雑なことが行われているんですね(ノ∀`)
甲状腺ホルモンの役割
甲状腺の仕事は、食べ物に含まれるヨードという栄養素を血液から取り込み、甲状腺ホルモンを作り出すことです。
そして、その作ったホルモンを分泌したり、余分な分は保存したりする役割もあります。
作り出された甲状腺ホルモンは、私たちの体が快適な状態でいられるよう調節する働きがあります。
具体的な働きはこちらです。
- 口から入った栄養素を、しっかり代謝してくれる
- 体温を調節する
- 子供の成長や発育など、体を形成する
- 脳や体の臓器を活性化する
生きてく上で、本当に大切なものばかりですね。
お腹の中にいる胎児の成長も、甲状腺ホルモンが促しているんですよ。
生まれる前からお世話になっているんです^^
こうして体の中で作られた甲状腺ホルモンは、血液にによって全身に運ばれます。
全身に運ばれているので、多くなったり少なくなったりすると、体全体に様々な症状が出てしまうのです。
私はこのことが甲状腺の病気の発見が遅れることに関係しているんだなと思ってます。
ピンポイントでどこかが痛くなれば、普通はそこが悪くなっていると分かりますよね?
例えば、
目がショボショボする→目が疲れている、胃が痛い→胃の調子が悪い
など、ですね。
でも甲状腺の働きに異常が出ると、体が全体的に調子が悪くなることが多いので、「年のせいじゃないか」とか「更年期障害かも?」と、初めはなかなか甲状腺にたどり着かないことが多いのです。
体だけじゃなく、やる気がなくなったり記憶力が低下するなど、精神にも作用するので、「自分はうつ病になってしまったのたのでは?」疑ったり。
でもこれは素人だけじゃなく、医学の知識がある医師でも「今ある症状は甲状腺から来ている」と結び付けないこともあるので、しょうがないことなのかもしれません。
それでも昔よりは甲状腺の病気が知られるようになり、問診の段階で「甲状腺の病気があるのでは?」と気づいてくれる医師もいます。
普段はそんなに意識することはなし小さいけれど、 実は体にとってなくてはならない働きをする、そんな臓器が甲状腺です。