橋本病も手術することがあるのか?
橋本病で甲状腺摘出の手術を受ける・・・あまり多くはありませんが、
手術が行われることがあるのは事実です。ですが、バセドウ病のように
治療目的で行われるのとは、ちょっと違います。
バセドウ病は、橋本病と同じ自己免疫疾患で、甲状腺の機能に異常がでてくる
病気です。甲状腺ホルモンが出すぎてしまうことから、心臓に負担がかかったり
体に様々な影響を及ぼすものです。
バセドウ病も治療の第一選択は、抗甲状腺薬の服用ですが、上手くコントロールが
出来ないときは、甲状腺の一部、または全摘出手術が行われることがあります。
目的はただ一つ、出すぎる甲状腺ホルモンを少なくするためです。
それに対して橋本病は、甲状腺ホルモンに異常が診られないこともありますし、
甲状腺機能低下症になっても、過剰ではなく不足している 状態なので
なぜ手術で取ってしまうことがあるのが不思議ですよね。
橋本病での甲状腺の手術は、ホルモンをコントロールするために行われるのでは
なく、腫れが酷く周りの臓器に影響を及ぼしているときに、行われます。
甲状腺の隣にある気管を圧迫しているときなどです。
橋本病で甲状腺の機能低下があると、舌が腫れてきて、それだけでも気道を
塞ぎいびきがひどくなったりします。それに加えて、慢性的な甲状腺の腫れが
あまりに大きいと、呼吸が苦しかったり食べ物を飲み込むのが大変になります。
甲状腺を取り除くことで、息苦しさや飲み込みにくさを解消するんですね。
甲状腺の摘出手術は傷が残りますが、ネックレスをすると隠れてしまったり、
徐々に傷跡が目 立たなくなります(加齢によるしわなども手伝って)
そこまで行くのは本当に稀ですが、それでも可能性は0%ではありません。
甲状腺を手術で取り除くと、ホルモン剤をずっと服用することになりますが、
ホルモン数値をコントロールできれば、健康な人と同じ生活が送れます。