甲状腺癌の手術について
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甲状腺の手術は、その患者さんの癌の状態によっても変わってきます。
また、医師によっても手術の範囲などが異なる場合がありますので、
手術前によく話し合い納得した上での手術が必要不可欠です。
もしも主治医の先生の方針に納得がいかない場合、積極的にセカンドオピニオン
(主治医以外の専門医の意見をきくこと)も必要になります。
甲状腺癌はその多くが予後のいいものですが、手術は少なからず体の負担になりますし、
メスを入れますので入念な説明を受けましょう。患者が納得することが一番だと考えている
医師ほど、セカンドオピニオンを受けることを勧めてくれます。
もちろん、主治医の先生の説明と治療方針に納得できていて信頼がおけるならば、
それに越したことはありません。
例え専門的な知識が自分になくても、疑問に思ったことはどんどん聞いていいと思いますよ。
たくさんある場合はメモにして聞き忘れないようにしていくのもいいと思います。
甲状腺癌の手術は、大きく分けると甲状腺のがんのある方の片側と
その部分のリンパ節も切ってリンパ節への転移があるか調べる方法、
甲状腺の少しの部分を残して取り除く方法(リンパ節への転移も確認する)
そして甲状腺を全部取ってしまう方法があります。
どの手術法が一番いいの?
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もちろんどの方法も良いところ・問題点があります。
それぞれに特徴があり、最後は自分の意志で決める
必要も出てくるかもしれません。
片側や一部分の甲状腺を残しての手術の良いところ・問題点
片側や一部分の甲状腺を残しての手術の場合、反回神経麻痺
(声帯を動かす筋肉の神経が、手術によって麻痺して声がかすれたり
声が出なくなること) の後遺症の確立は低くなります。
甲状腺ホルモンを手術の後飲み続けなくてよい、
副甲状腺機能低下の確率が低くなるなどが良い所
小さい癌は残してしまう可能性がある、転移があった場合その治療に、
放射性ヨード治療を行う場合は残りの甲状腺を取り除く手術が
もう一度必要になるなどの問題点もあります。
全甲状腺を摘出の良いところ・問題点
また、全部の甲状腺を取ってしまう方法では小さな癌も残らず取り除ける可能性が高い、
転移の治療に放射性ヨード治療を行えるなどが良いところ
反回神経麻痺などの合併症の可能性は高くなり、
甲状腺ホルモン剤を一生飲み続けることになる問題点があります。
また、手術を行った場合でも、放射線ヨード治療のほかに放射線照射や
抗癌剤による化学療法が行われることもあります。