甲状腺機能亢進症の薬と副作用について
甲状腺機能亢進症は、代表的なものではバセドウ病と言うものがあります。
本来自分を守るための免疫機能が、何らかの理由で自分の体を
攻撃するようになってしまう、自己免疫疾患です。
これによってできた自己抗体が、甲状腺を刺激することで
甲状腺ホルモンが過剰に作られ分泌されることで起こります。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、この過剰になった甲状腺ホルモンの働きを
抑える薬を服用する治療が一般的に行われます。抗甲状腺薬はメルカゾール、
プロパジール(チウラジール)と言う薬で、通常は強い薬であるメルカゾールが使われます。
どちらの薬も甲状腺ホルモンを作るときに邪魔をしてホルモンが作れないようにします。
プロパジール(チウラジール)はメルカゾールを副作用などの理由で使えないときや
妊娠・授乳期に使われることが多いようです。
自分の体や検査結果とみながらいずれ薬の量を減らして、
正常な甲状腺ホルモンの値になるように調整していきます。
抗甲状腺薬での治療を始めると、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の辛かった症状
(動機、息切れ、だるい、手足の振るえなど)が少しずつ落ち着いてきますが、
人によっては副作用が起こることがあります。
代表的な副作用では、発疹、じんましん、皮膚のかゆみ、関節痛などで、肝障害、
胃腸障害、食欲不振、嘔吐などが起こる場合もあります。
そして一番気をつけたい副作用は、無顆粒球症という白血球の顆粒球という
細胞が減少するもので、突然の高熱や扁桃腺の痛みがでます。
重度になると命に関わることもありますが、頻度の高いものではありません。
抗甲状腺薬を飲み始めたら、念のため自分の体に注意を向けておく必要があります。
いつもと違う症状や急な発熱が出た場合は、抗甲状腺薬を飲むのをやめて
すぐに医師の診察を受けます。